弓削にて停泊中に、懐かしのヴァイキング22・敷島号に出会いました。 そのヨットは50年程も前に小生が初めて購入したクル−ザ−です。 今は亡き明石ヨットがそれを15隻ほど製造したと聞いています。 そのオ−ナ−は関西の方で、元従業員の山崎さんからアドヴァイスを受けながら、彼がリフォ−ム復元されたヨットに出会ったのです。
製造されたそのひとつのヨットが岡山県玉野にあり、道路わきに展示されているように放置されていて、無残な状態を小生は見ています。 私が同僚に手放した艇は他の人に渡り、それを昔の仲間が見て、私に見ないほうがよいと言ってくれました。そのことは半世紀余りも経たことなので、しかたがないのかもしれません。
私が所有していた時でもそのヨットは木部が多く、3か月ごとにニスを塗っていないとメンテナンスが大変でした。 自分がヨットを置いているいる現在のハ−バ−には、オール木造ヨットが2隻あります。 それらは大変に良い状態でメンテされております。 いずれもフルカバ−をしています。 従いヴァイキング22もそれをしていれば、長く保たれるのではないかと今は思っています。
建造時の昔の話です。 当時はマーメイド号の堀江さんの太平洋横断の本に書いてあった影響でしょうか、ヨットを作るときは造船所に泊まり込んで作るのだという話がありました。 当時は長距離フェリ−の乗組員でしたが、会社に願い出て、2週間ほど臨時休暇にしてもらい、兵庫県高砂の船員保険施設に泊まって、造船所に毎日通って作った最初のヨットを手に入れました。

建造中、 速魚と小生(若くて別人かとおもわれるのか....)
その愛艇を4年間ほど九州の日向市に置いて楽しみ、最後は日本周航するために、会社を辞職して、周航を終えて会社の同僚に手放しました。
小生はデインギ−しか乗ったことが無く、ヴァイキング22。「初代速魚(はやめ)」は初めてのクル−ザ−ゆえに苦労もし、楽しみもしたヨットでした。 2隻目は友人と共同で52fのケッチ「PING906」を買いましたが、それよりも思い入れの深いヨットに「初代速魚」はなっています。 さらにヨットの信頼性という点では、今乗っているヤマハ31フェスタ・「速魚U」よりも、小さいながらも頑丈で時化ても安心して乗れます。
欠点は腰が弱いことでブロ−が吹くと速やかに傾くこと、長さがないので波やウネリの中に入ってしまうこと位でした。 長所は、機走で現在のヨットとほぼ同じ5ノットで走ります。 また、停泊地の心配はありません、喫水が1.2m強なのでどんな小さな漁港でもスペ−スはあります。 クル−ジング中は、夕方まで走り、それから近くの停泊地を探せば良いことになります。 加えて、ハルの形状はロングキ−ルでしたので、今悩んでいるホンダワラがペラに絡まることは無かった。
当時は、オ−トもファ−リングもGPSも無い時代でしたが、チャ−トと簡易港湾案内とラジオを聞いて天気図を書くことでクル―ズできました。 そのような、古い時代ではありましたが。
予期もせずに敷島号に出会えたことは老生にとっては懐かしく嬉しいことでした。その夜は彼と話がはずみ、楽しいお酒が飲めました。

敷島号

初代 速魚
2022-9-10