スペイン古分書通じて見た

奈良靜馬著 経営科学出販、
フィリピンを植民地にしたスペインと対した秀吉と家康である。 スペインの古文書を読み解き本書が掛かれた。昭和17年講談社出販であるがGHQにより発禁処分された本書です。
秀吉のバテレン追放令は有名であるが、同時に日本人奴隷の売買を禁止したことは学んだ覚えがない。 戦国時代でも「乱捕り」と云って合戦の後に生け捕って戦利品として売買されていた。このことも学校では学ぶことは無いようです。 秀吉が九州征討のときにキリシタン大名や宣教師が奴隷交易をしていたことに気が付き禁止令を発した。 また朝鮮征伐の前にフィリッピンへの降伏勧告を出している。 本書を読むとマニラの防備は大したことがなく、仮に薩摩一国だけでも勝利できたであろうことが分かる。 スペインは無敵艦隊が敗れて衰退の時期に入っていたのである。
ここで家康が海外貿易に積極的であったのを三浦按針・ウイリアム・アダムスと初期徳川幕府の通商条約にて記してある。
鎖国までの道のりは下記年表をご覧ください、

16〜17世紀、ポルトガル(緑)とスペイン(黄)との貿易ル−ト
戦国歴史年表
1571 スペインがフィリピンを占領
1580 スペインがポルトガル併合
1581 オランダがスペインから独立
1582 本能寺の変
1587 秀吉九州征伐、 バテレン追放令と奴隷売買の禁止
1588 スペイン無敵艦隊敗れる
1591 秀吉がフィリピンに対し降伏勧告、以降三度にわたり、フィリピン総督に降伏勧告状を出している
1592 文禄の役
1597 慶長の役
1600 関ケ原の戦い、 イギリスが東インド会社設立
1602 オランダが東インド会社設立
1609 オランダが平戸に商館設立
1613 イギリスが通商許可を得る、 慶長遣欧使節出る
1614・15 大阪冬の陣・夏の陣
1616 家康の死、 明朝以外の船は長崎・平戸に限定
1618 30年戦争
1620 三浦按針が平戸で死亡
1623 イギリスが平戸商館閉鎖
1624 オランダが台湾占領、 スペインとの国交断絶、来航禁止
1628 ノイツ事件・浜田弥平衛事件
1633・34・35・36 第1次・第2次・第3次・第4次鎖国令
1637 島原の乱
1639 第5次鎖国令 ポルトガル入港禁止
1640 ポルトガルがスペインから独立
1641 オランダ商館を平戸から長崎出島へ移す
1644 明が滅ぶ
1673 リタ−ン号事件 イギリスとの交易再開拒否。 以降オランダのみの来航となる
2025-4-16