2015年02月18日

自衛艦(揚陸艦・輸送艦)おおすみと遊漁船の衝突 その3

        
       運輸安全委員会報告   


  oosumi.png 


 下記のように揚陸艦・おおすみ・と釣り船の衝突事故の運輸安全委員会の報告書が公表されました。
 釣船・とびうお・は・おおすみ・をいったん追い越して・おおすみ・の左舷前方に航走した。それで自衛艦の追い越しの航法が適用になるのかと、これを読むまでは思っていました。今回は横切り船の航法が適用されることに、その時間と位置関係からなります。従い・おおすみ・は進路速力を保持して注意して航行する立場になります。釣り船が進路を右にして衝突を避けるか、エンジンの減速・停止をして避けるかになります。・おおすみ・にも衝突を避けるために見張りをして注意喚起・警告信号をおこない衝突を避ける最善の協力動作を行う義務があります。裁判になると見解が異なることもありますが。

 本船にもヨット・ボートの小型船にも経験のある老生だとしたらこの状況でどうしていたでしょうか?

 1. 自衛艦の艦長だった場合・ありえませんが

 釣船と衝突の恐れを感じた場合は、航海長から・もらう・と発言して権限を委譲します。と言ってもこの海域は艦長が甲板上で指揮するロケーションです。同時に疑問・警告信号・汽笛を鳴らして注意を喚起します。この船位では右への回避は避けたいので、最初に段階的ではなく一気に機関停止して必要なら機械反転を指示した。釣舟が先に船首を通過するとの報告は誤認か不正確な状況であると思われます。速めの汽笛が必要でしょう、漁船にVHFが積んであればチャンネルで通信士に連絡させることも可能ですが報告にはその調査はありません。もっとこれの利用を世間に促すべきでしょうね。

 2. 釣舟の船長だった場合・大いにあり

 いったんは自衛艦を追い越したので自船のほうが速いと思っていたけれど、自衛艦が船尾から速度を上げて追い越しと思われる状況に至った。前方に注意していてその認識が遅れたのでしょう。ここは速度の差が大きくないかぎり自衛艦の船首を通過することは無理だと判断して法規上は右に変針して避けるか、または機関停止・減速で自衛艦を先にやることになります。でも自衛艦と並航する針路をとり、減速して自衛艦の船尾を通る処置をするでしょう。

 3. この報告書でわかったこと

 門外漢の古い本船乗りでは、自衛艦の実務の状況は想像するのみでした。

 イ. 当直要員
    艦長、 航海長、、副直士官2名、当直海曹、操舵員、伝令、信号員、
    左右後見張り員3名 以上11名 今回は船務長がアドバイスを航海長
    にしているところから当直員数に含める必要ありでしょう。船頭多くしてもね。
 ロ、 操船命令が日本語が使われている。商船では内航船の1000トン以下でない
    かぎり英語の命令を使用。外国との合同演習が盛んですが不便はないのでし
    ょうか?事故とは関係なし。
 ハ. 艦長・航海長とも海技免状は所有していない。防衛省基準のものは満たす。
    艦長51歳で平成20年より艦長を務める。25年4月より本艦。
    航海長 33歳 平成21年から通信士,船務長等を務め、25年7月から本艦、
    従い履歴より運航当直経験は多くはないと推測される。
 ニ. 報告書では8マイルレンジのレーダー図がありますが、船舶輻輳するところでは
    本船でも2台のレーダーを使用して1つは8マイルで、もう1台は4−2−1マイル
    レンジを使用して海面反射の影響を避けて小型船の動静を航海士がチェックし
    ています。そのようなレーダー運用していないのでしょうか?ガスの時にどうし
    ているのでしょう。報告には水上用レーダーを使用とあり、航海用のレーダー
    の能力と運用は記載されていない。船務長という情報・通信の責任者がレーダ
    ーの取り扱いを指揮していたと思われる。老生の時代には衝突予防機器があ
    りませんでしたが、現在は商船には装備されているはず。自衛艦はどうなって
    いるのでしょう。調査委員会の詰めの甘さも感じられますね。

  ホ. 構造上左舷の視角が制限されるところから、左舷の端に見張り所があり、
    見張り員が存在した。彼が釣舟の動静には詳しいことになる。航海長から
    釣舟の船長が本艦を見ているかを問われ見ていると報告、それで漫然と
    航行を続けることになり対応が遅れた。
  ヘ. 釣船が転覆しなければ、軽度の接触事故で終わったかもしれない。それに
    より水死事故なった。乗船中の船長判断による救命胴衣着用は役立つかも
    しれません。  
            
  結論

  個人的な見解にすぎませんが、やはりここで航海科の充実を何度も述べていますが
 それに尽きます。 

  今回の事故報告書 50ページ
  http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2015/MA2015-2-1_2014tk0001.pdf
  海上衝突予防法の横切り船の航法
  http://www.mlit.go.jp/jmat/monoshiri/houki/houkinyumon/koutsunyumon.htm

 
        2015-2-18


  

   海上自衛隊航海科の充実 1と2 のページへ
   http://hayame2.sakura.ne.jp/details1037.html#%E8%88%AA%E6%B5%B7%E7%A7%91
   船員の常務
   http://hayame2.sakura.ne.jp/details1037.html#船員の常務
   ヨット・ボートの改革
   http://hayame2.sakura.ne.jp/details1030.html
   

posted by 速魚 at 08:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/113888077
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック