2015年08月02日

フェリー火災



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     フェリー さんふらわー だいせつ


  7月31日夕方、苫小牧港まで巡航1時間余の距離で さんふらわ だいせつ が車両甲板より火災になり、乗客乗員93名が救助されました。2等航海士が行方不明です。旅客定員154名・乗組員23名、トレーラー100台、トラック36台、乗用車24台でほぼ貨物は満載。

トラック冷凍車の冷凍機からの出火のようです。フェリー乗船中は、本船設置の電源ボックスから給電してトラックの冷凍機を回して冷やしています。乗船中の車にエンジンを掛けたり、トラックの冷凍機を作動させて、フェリーが運航することはありません。長距離フェリーではお客様も車内に留まることはありません。でも見逃して、車内に下船までいた方はおりますけれど。

 他社のフェリー乗船時の自分の経験では、航行中には当直の交代時・4時間おきに巡視と称して甲板・客室を巡回して点検しています。従いその間に起きた火災でしょう。
 スプリンクラーで消化できなかったようで、どのタイプなのか不明ですが、自分の乗船していたフェりーではアワ消化タイプのものが設置されていました。ドックで整備中に、これが誤作動してデッキが泡まみれになった経験があります。その威力はすごかったと記憶にあります。今回は水タイプのものだったかもしれません。

 昔にフェリー乗船していた時の記憶ですが、冷凍車の冷凍機に故障が多く、乗船時にそれが判明すると、荷物が腐ってしまう恐れがあるために、本船の機関部のスタッフが懸命にトラックの冷凍機の修理をしていました。本船に責任があるわけではないのですが、サービスとして無料でやっていたように思います。それに甘えてか調子が悪くてもフェリーに乗船してくる冷凍車もあると嘆いていた声を聞きました。他に家畜を積んでいるトラックは大型扇風機を回すことがあります。今後はそのような機器を積んでいるトラックのフェリー乗船前での点検が重視されるでしょう。船内修理の場合には高額な費用請求をしないと、トラック側の保守整備に力が入らないのかもしれません。

 フェリーで一番怖いのは火災です。今回はトラックでしたが、乗用車のガソリンに火が付いたときは、爆発的な火災になり大きな事故につながります。それで巡検時に車からの燃料漏れも大切なチェック事項です。
 フェリーは戦前の航空母艦の技術経験を踏まえて設計されています。またスピードも追求するところから、巡洋艦の船型をしていました。空母では飛行機格納甲板での被爆・火災は大きな問題でした。 そこでフェリーにおいて、密閉のない通風のよいデッキに乗用車を積む設計はそのような趣旨からでしょう。そんなフェリーにも乗船したことがあります。 しかし最近は経済的な理由から、今回のように全通式の密閉甲板でトラック積を主体とした設計になっています。だいせつは爆発的な火災になっていないようですので、自動車には延焼していないと思われます。

 この事故の経験を踏まえて、今後は火災対策に新たな設計思想が加わることでしょう。 行方不明の航海士の方のご無事をお祈りいたします。

      2015-8-2


    フェリー事故
    http://hayame2.sakura.ne.jp/details1037.html#フェリー事故
    韓国フェリー事故問題点
    http://hayame2.sakura.ne.jp/details1037.html#韓国フェリー
    長江の客船沈没
    http://hayame2.sakura.ne.jp/details1037.html#長江客船沈没と友鶴
    

posted by 速魚 at 14:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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