エマニエル・トッドによる

文春新書 ドイツ帝国が世界を破滅させるより
つい最近ですが、ギリシャが破たんしそうで、ドイツが援助するかしないかともめていました。
ラテンの人々はノンビリしていて働かないし、納税する気も少ない国なので、さもありなんとこちらは、眺めていただけでした。
最近、爺は欧州に行くこともなくなったので、ユ−ロはどうしてこんなに高いのだろうぐらいの思いのみで、EU統合以来のできごとに無関心でいました。 トッドのこの本を読んでドイツの一人勝ちの事態に気が付きました。
ソ連の崩壊以来、東ドイツの統一コストに苦しんでいたかにみえていたドイツは、いつのまにかドイツ帝国を築いていたのです。
統一通貨ユ−ロを導入以来、ドイツは部品製造を部分的にユ−ロ圏の外の東ヨ−ロッパへ移転して、非常に安い労働力を利用しました。 国内では競争的なデイスインフレ政策をとり、給与総額を抑制しました。ドイツの平均給与はこの10年で4.2%低下しました。社会的文化的要因ゆえに賃金抑制策など考えられないユ−ロ圏の他の国々に対して有利な立場を獲得しました。
財政規律主義のドイツはますますEUのなかでその位置を高めていきます。統一通貨ゆえに財政に苦しむ各国は自国の通貨を切り下げて、競争力を高める政策を封印されています。
上図にあるように ドイツ圏の国々は下記のようです。
ドイツ圏 オランダ、ベルギ−、チェコ、オ−ストリア、クロアテイア、スロベニア
自主的隷属 フランス
ロシア嫌い衛星国 スエ−デン、バルト3国、ポ−ランド
事実上の被支配 フィンランド、ポルトガル、スペイン、イタリア、ル−マニア、
ブルガリア、コソボ、ギリシャ、スロバキア、
併合途上 ウクライナ
離脱途上 英国、ハンガリ−
ドイツは上海事変では中国に味方して日本は大変に苦しみました。 メルケルは中国詣でを繰り返していますが、めったに日本には来ません。 ドイツの動向には今後も注意が必要です。
2016-6-2
ドイツの債務ブレ−キ条項
http://hayame2.sakura.ne.jp/details1.html#ドイツの債務
日本はたん IMFプログラム
http://hayame2.sakura.ne.jp/details1.html#IMFプログラム
西ドイツの予備役と冷戦の終結
http://hayame2.sakura.ne.jp/details1016.html#独予備役