
次は、奇岩のことである.当時 新青年 と言うミステリ専門の雑誌があり古本屋で手に入れて愛読した。そのなかの一章、エイギユ・クルウズにアルセエヌ ルパンが登場し、奇岩のあたりの洞窟を根城にして神出奇没の活躍をした。この奇岩の挿絵風景がそっくりそのままで、モネの風景画で有名なことをしばらくして知った 。しかし具体的なところは永らく不明のままでであったが、半世紀たっつて判明した。それわドーバーに面したエトルタの町で、渋谷ル・シネマの予告編 愛しき人生の作り方 に登場した 原題で Les souvenirs さしずめ 思い出の数々 といつたところか。
早速本編を見た、パリに暮らす祖母が夫に先立たれ姿を消し、仲のよい孫が思い出をたよりに、エトルタにやって来るとゆう話でそれなりに楽しい映画であるが、小生にとってはなによりも奇岩のある港の風景である。忘脚の中に埋没した記憶が何かのきつかけで、はっきり蘇えることがある、脳の働きにわ不思議な力があり、潜在意識の領域ともいわれる。
港には多くのヨットが屯ろして、町わ観光客でにぎわいモネにあやかろうと絵筆をとる人々がいる。長閑な風景であるが、一方奇岩の辺りは自殺の名所でもある。さしずめわが国の当尋坊と言うところか。
冒頭の古本屋だが、目白通りに面して、目白駅と当時の住所下落合との中ほどにあって、その手前が環状7号線の四つ角であった。其のころ 昭和18年 環状線といっても戦時統制下で工事が中断され起伏の激しい道路予定地にすぎなかった.更に行くと打ち放しの、世の中が落ち着くまで二人ぐらしがつずいた。
思い出は尽きない、エトルタがとんだことになってしまった、このへんでた終わろう。
2017-1-13
ノルマン 1