2017年01月17日

因果は廻るオリンピックーV  ベルリン・(東京)・モスクワ・北京

                                     

                             大幡


 1936(昭和11年)ベルリン大会は、ヒットラー政権成立の前年1932に招致が決まっていた。オリンピックの理念「あらゆる民族の選手が一堂に会し同じ条件で競う」と言う理念は、ヒットラーの「アーリア人は他の人種より優れ、選ばれた」と言う信念とは全く相容れない、権力を掌握して8ヶ月、はじめはオリンピックに積極的ではなかった。
 ここでゲッペルスが登場する、宣伝相として、彼自身は激しい反ユダヤ主義者であったが、今、世界にドイツがいかに文明的であり、かつ近代的な国であるかを誇示する好機であると、ヒットラーを説得、ナチス総力態勢を築き上げた。
 ドイツの産業力が猛然と動き始めた、地下13米堀下げて壮大なオリンピック・スタジアムに続いて、各種競技場、展示ホールなど全ての建物が天然石で覆われ、ベルリンは輝きわたった。また、ブランデ−ジとの交渉もあって大会期間の前後しばらくの間、反ユダヤの行為はベルリン周辺から一掃され、世界から来た観衆の眼に入らなかった。そして反ナチでは最も強硬なアメリカも、オーエンスの4冠にあわせてヒットラーを連れ帰り、アメリカをもっと秩序立てて欲しいと言う思いが拡がった。
 とにかくベルリン大会は国威発揚の面では、競技場をツエッペリン飛行船が空を圧して悠然と飛行した。しばらくナチの隆盛がつずいたが、10年後あっという間に崩壊した。





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 昭和15年12回東京大会返上により、代替地として次点のヘルシンキが浮上したが、これも第二次大戦により消滅した。13回に予定されたロンドン大会は戦火に潰え、12年の空白後14回ロンドン、15回ヘルシンキとつずいたが、14回には敗戦国日本は参加どころではなかった。
 昭和27年ヘルシンキに戦後初参加、富士山(ふじやま)の飛び魚 古橋・橋爪の水しぶきがあがり、時は流れ東京大会(昭和39年)の空中にジェット機の五輪マークが鮮やかに見事に空に描かれた。対ソ連の女子バレーが圧巻であった。横浜の古河電工へ営業に行った帰り道、相模線の平沼橋駅近くの焼きソバ屋で、手に汗して勝利を堪能した。10年たって(国としは)何事もなく昭和50年代は半ばを過ぎた。        
 1980年モスクワ大会、東西冷戦の只中どうして選ばれたのか、又、西欧諸国・日本が参加を取りやめたのか詳しい事情は知らない、とにかく参加しなかった。マラソンの瀬古・柔道の00真っ盛りの選手、どちらも出れば間違いなく金メダルと世界も認めていたが、この機会を逃して残念至極であったろう。


 話しは昭和15年の東京大会に戻るが、小生中学生(昭和17年ごろ)、体操の先生に能登さんがいた。筋肉隆々逆三角形の素晴らしい体躯であった。オリンピック候補と聞いていたが、我々はカバと呼んでいた。当時いくつかの国祭日では「海行かば」を斉唱することになっていたが、海ゆカバ・水くカバね・山ゆカバ・草むすカバね・おおぎみの〜と、カバの所を強調して歌っていた、先生にも充分伝わったことと思う、誠に無礼なことだが式典は平常通り進み、何事もなかった。


 さて、1980年のモスクワ大会、1991年突然ベルリンの壁が崩れ、ソ連政権もつずいて崩壊した。何のめぐり合わせかベルリンにつずいて、大会から10年余である。20世紀を通して、最大の独裁政権が軌を一にして、オリンピック開催の10年後に崩壊した。
 オリンピックはつずくどこまでも、2008年北京で開かれた。ベルリン・モスクワに比べ、参加を拒否する国はなかった。差異が有るとすればこの点だけである、独裁国家としては何ら異なるところは無い。むしろわが国に降りかかる災厄はその比ではない、むしろ最悪の災厄政権である。二度あることは三度あるという、10年後にあたる2018年何事もなく、平穏無事に過ぎるだろうか、2020年の東京大会が無事迎えられるか、もしも、習政権が潰れたり、その潰れ方によっては、わが国がどの様なことになるのか、経済ががんじがらめの現状、平穏な筈がない。オリンピックどころではない、再び、大会返上ということになるやも知れず、痛し痒しどころか、世界の破滅どんな惨状が待っているのか、因果は廻るというが、昭和10年代一方的に攻め込んだ日支事変にひきかえ、只ひたすら防御一辺倒の尖閣、戦々恐々の毎日である。                          

2017-1-17




posted by 速魚 at 06:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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