2017年01月20日

新・所得倍増論 デ−ビット・アトキンソン

    


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 日本の文化財を修復する会社の青い目社長をしているアトキンソンの著です。生き馬の目を抜く元ゴ−ルドマン・サックスのパ−トナ−まで務めた人でもあります。

 日本の失われた10年と言っていたのが20年にもなり、アベノミクスの効果も上がっておりません。現在我が家の南側・東側に新築や建て替え工事が進捗中です、この町内でも新しい家が随分と増えました、低金利による建て替えブ−ムが起こっているようには見えますが、その程度では景気はビクともしません。根が深いといえます。

 彼によるとGDP=人口x生産性であり、戦後に、奇跡の日本の躍進は爆発的な90年代までの人口膨張によるのであるといいます。 確かに日本の潜在的な能力は高いけれど、生産性は低く、それに経営者の怠慢と人口ボ−ナスが減ったので、90年以降のGDPは停滞・縮小してきた。 また、過去の成功体験を間違った認識で理解して、見直せないのが現状のザマである。 現在生産性は先進国最低の世界27位である。

 彼によれば、企業経営者に時価総額を上げる経営を要求すべし。確かに現在は株の40%余りを日銀が所有しています。そのことは健全な日本株市場ではありません。しかし、米英なみの会社時価に日本の会社株価が上がれば、国が多く所有していますので、その値上がりで、年金・医療は安泰になります。給料もあがります。よい循環になるでしょう。

 先の大戦も軍部指導層の無能ゆえともいわれています。世界一優秀な下士官・兵でも負けました。 日本の優秀な知恵を集めた陸海士官学校出の将軍たちの及ぼした敗戦です。 日本の経営者が過去の戦後経済復興の成功体験に甘んじているとすれば、また歴史は繰り返すといったところでしょう。

 この本はアカンタビリテイを知らしめたオランダ人の本に比べれば、すっきりした感が少ない個人的な印象です。大前研一さんが低欲望社会から提言されていますが、合わせて考えないといけないのかもしれません。こちらの能力を超えているようですが。



                2017-1-20



posted by 速魚 at 08:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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