兵頭二十八さんによる

ICBM・大陸間弾道弾
2016年現在、中国は20基を超えるICBMを配備していますが、その過半はロシア向けで、対米用は12基かそれ以下であるという。不思議なことである。
米中間で「ICBM・大陸間弾道弾の数量競争をしない」という密約が存在する? このような密約を田舎老人が知ることはもちろんありません。日本のダメマスコミがそのカケラでも報じたことを耳にしません。兵頭二十八さんがその密約について述べています。
考えてみれば航空母艦隊を創成しようと動き始めた中国軍にとっては、予算的にも技術でも不足はない。明らかにその充実を自粛しているのは不自然である。彼によれば毛沢東とニクソンの間で、
1. 東アジアでの中国の軍事的な優位を保ち、反ソ戦略では米国と非公式に協力する。
2. 中距離弾道弾で日本に照準を合わせるのに米国は文句を言わない。
3. 日本には核武装をさせない。横田基地から核攻撃用の飛行隊を撤収させ日本への核の傘をはぎとる。
3. 中国は名目的なICBMを作ってもよいがそれ以上は展開しない。
ベトナム戦争で苦しんでいたアメリカにとっては、中国と以上のような密約を結んだ。日本を取引材料に使われてしまったようです。
北朝鮮が先に核実験をしたときに、日本で核武装論がひろがりそうでした。実際はすでに中国の中距離ミサイルでいつでも日本は完全に破壊される状態に放置されていたのですが。そのことは無視して、米国は北朝鮮に対しての弾道弾ミサイル防衛を日本へ売り込みました。迎撃ミサイルは放物線の頂点近くにある速度の遅くなったミサイルにしか有効でないといいます。中国の奥地からミサイルを打たれると、それは射程の関係でミサイルの頂点へ迎撃することは難しいので、中国からのものには役にたちません。北朝鮮のミサイルには日本海の中央に配置すれば有効だといいますけれど、実戦で使ってみなければ本当のことは知ることができません。
最近にアメリカが北朝鮮のICBMに慌てているのは、この密約の体制を打破される恐れからの理由で、中国が協力するのもその理由があるからなのでしょう。
現在の弾道ミサイルを打ち落とせる技術は未熟です。その迎撃力が未完成であるがゆえに、アメリカは米国西岸にそれの配備は少数なものになっています。最近のサ−ドミサイルは中国の反対が強いので少しは改善されているのかもしれません。
この密約は、恐らく存在すれば最高機密に属するもので、庶民に知れるものではない。俗に言う推定有罪や状況証拠を積み重ねての起訴にあたるものでしょう。 果たしてその判決はいかに?
やはり核には核をもってしか抑止力にはならないのでしょう、日本には核の傘は無いのが現実なのです。
2017-6-29
追記
アメリカが対中政策の変更を見直したようです。貿易交渉で制裁合戦をしていますが、まとまる気配はありません。ミサイル密約の存在が垣間見られることがあるかもしれません。
1. 中国が軍事パレ−ドや報道により大陸間弾道ミサイルをよく見せようとする時
2. 新しくミサイル交渉を中国が表立って提案する時
3. 長距離ミサイル実験を行う時
中国が今回の交渉カ−ドとしてブラフに使ったり、対立を深め秘密交渉を破棄してミサイル増産を決意すれば明らかになるでしょう。 一番はっきりするのは、日本が原爆生産をするときでしょうが、それは簡単ではありません。米中ともどもそれをとり上げてお互い交渉カ−ドに使えなくなるのですから。
2019-8-9