2018年09月19日

西郷隆盛


  磯田道史さんによる


saigou 02.jpg
1828-1877 西郷肖像画 床次正精作


 磯田さんの「素顔の西郷隆盛」を読みました。爺のお気に入りの歴史学者です。 倉に眠っているような古文書を読みまくり、そこから一次資料によって歴史をくみ上げています。 
  明治時代の候文ですら読めない小生にとっては、あの草書体の古文書なんて想像もつきません。 せっかく高校で古文を習うのだから家の蔵にある先祖の残した文書を分かるような教育があっても良いのではと思います。自宅に蔵のあるような育ちではありませんが。  歴史好きの田舎爺さんですが、英語もろくにできないので、欧米の歴史にも問題外であり、自分の国のものですら古資料を読むことができません。ウイキとか人が書いた本とかの受け売りをするばかりです。

saigou 01.jpg


 西郷無くして維新を迎えることはできません。 対幕戦争の軍議で新政府会議のなかでも、西郷の出席なくしては何も決められませんでした。 他に、

  西郷無くしては出来なかった事

1. 長州をつぶすことを防ぎ、薩長同盟
2. 大政奉還後の王政復古のク−デタ−
3. 慶喜の助命
4. 武力討幕、 討幕の大義を得るための謀略、 鳥羽伏見の戦い勝利
5. 戊辰戦争、 江戸城無血開城、東北戦争へ参陣
6. 廃藩置県、府県の統廃合(3府72県)
7. 陸軍省・海軍省の設置
8. 学制の制定
9. 国立銀行条例公布
10. 太陽暦の採用
11. 徴兵令の布告
12. キリスト教禁制の高札の撤廃
13. 地租改正条例の布告

 西欧岩倉使節団が正当政府で西郷らの在日政府を留守政府と今では言っていますが、留守政府が決めた徴兵令や地租改正など大きな枠組みは西郷が決めています。
とても留守政府がやることではありません。

 維新の功業とは鎌倉幕府以来の武士による政治の枠組みを終らせた、明治・新政府による廃藩置県、徴兵令、廃刀令、最後の武士による反乱・西南戦争(西郷の死をもって)にとどめを刺すことによる完結です。 それを為すには命を惜しまぬ西郷の武力討幕の方針を持ってしかなし得ませんでした。

 大河ドラマ「西郷どん」で王政復古のところまでスト−リ−がすすみました。 江戸薩摩屋敷焼き討ちを誘発させるための謀略に相楽総三、伊牟田尚平、益満休之助を派遣して放火・略奪・暴行して挑発させます。西郷のキャラ変だと巷で騒ぐ動きも見られます。「戦闘に成ったら策謀はしなければならないが、そのためには普段はまともな道を歩むべきだ」正しい目的を踏まえれば、戦時は汚いことをしてOKという西郷の思想です。西郷の陰のある横顔がなければ維新は起きなかったでしょう。汚いことをなすためには普段は公正・まっとうな人生を送らなければならないことを忘れてはいけない。

 年表を見てみると二回目の遠島・沖永良部で死にかけて、外交の能力を買われて再び許されて京都工作に当たってからわずか四年で明治になる。想像以上に短い期間のことであったことが分かる。


   西郷隆盛関連年表

1828・文政10  下加治屋町で誕生
1847・弘化4  郷中二才頭となる 19歳
1850・嘉永3   お由良騒動で赤山靱負(あかやまゆきえ)が切腹
1851・嘉永4  島津斉彬が藩主となる 23歳
1853・嘉永6  ペリ−来航
1854・安政元年  江戸詰めとなる  26歳
1855・安政2  橋本佐内と政治活動
1856・安政3  篤姫が将軍輿入れ、 一橋派として活動
1858・安政5  日米修好通商条約、斉彬死亡、安政の大獄 月照と心中 30歳
1859・安政6  奄美大島に潜居、愛加那と結婚
1861・文久元年  召喚状来る
1862・文久2  久光へ「地ゴロ」発言、沖永良部島へ遠島  34歳
1864・元治元年 公武周旋と京都工作のため召喚、軍賦役となる。禁門の変で長州撃退、第1次長州征討を収拾、36歳
1865・元治2年  糸子と再婚  37歳
1866・慶応2  薩長同盟成る、第2次長州征討、功明天皇崩御
1867・慶応3  薩土盟約、 伊牟田尚平と益満休之助を江戸破壊工作に派遣、大政奉還、王政復古、
1868・慶応4 鳥羽伏見の戦い、江戸無血開城、上野戦争、北陸戦線に出馬、弟・吉二郎戦死、40歳
1869・明治2  函館戦争終結、栄典禄2000石と位階を返上、薩摩藩藩政改革にあたる
1871・明治4  政府改革案を持って上京、常備兵5000人を率いて再上京、廃藩置県、留守政府始まる
1873・明治6  朝鮮問題の政変で下野、 45歳
1876・明治9  廃刀令
1877・明治10 西南戦争で自決  49歳


   2018-9-19

  船中発策  維新英傑 まとめ









posted by 速魚 at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/184462359
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック