小生は子供のいない老人なので、子供がいたとすればロスト・ジェネレ−ション、ここではロ−リング・フォ−テイの世代の親になっていたであろう。シングルマザ−は地獄という境遇の女性が身近にいるわけではありません。 ロストとシングルどちらもこれから大きな問題になると強く思います。
最近の若い人は3人に1人は離婚するようになったのでしょうか。こちらとて熟年離婚だってあるのでオチオチしておられません。離婚して親権はほとんどが女性にあるようです。父親はほとんど子供に面会できないようです。 それだからではないと思いますが、子供の養育費はしばらくすると振り込まれてこない事態となる。
離婚した女性の62%が無職・非正規だといいます。123万人のシングルマザ−の78万人が無職・非正規の人達ということです。平均125万円の年収だといいます。それでは母子家庭は悲惨なものとなります。喫緊の課題のはずですが、どこの政党もとりあげて解決しようとはしていません。
1. 養育費は公的な機関を介して手渡すようにする。強制的な調査権をそこは持つ。
2. 年収300万以下の母子家庭には親5万・第1子5万・第2子3万・第3子2万の援助金を支給する。(年収には養育費も含む)
3. 子供が18歳まで支給
4. 国公立大学に入学する子供には4年間に授業料と生活費5万を支給する。夏冬休みのボランテイアを義務つける。
この程度の政策・セ−フテイネットをすぐにもしてほしいところです。

鈴木傾城さんによる
MONEY VOICEより転載 2019-9-9号
無職・非正規が62%。娘の制服代払えず…母娘心中の悲しい末路
仕事中の突然死
2016年6月。私は大阪・天王寺区の谷町九丁目駅を降りて、あるラブホテルの一室を見せてもらっていた。47歳の女性が1ヶ月前にそこで亡くなっていた。彼女は熟女デリヘルに勤めていたデリヘル嬢だったのだが、ラブホテルの一室で体調に変調をきたして突然死していた。
ドアを開けて中を入ると、病院に置いてあるような安っぽい赤いスリッパが置いてあった。それを履いて中に入ると、昭和と場末の雰囲気が漂う部屋に、壊れそうなダブルベッドがポツリと置かれていた。
彼女はこのベッドの上で突然死したのだが、驚いた客は死んだ彼女を放置してそのまま逃亡していた。
彼女はふたりの子供を持ったシングルマザーだった。仕事場のラブホテルで突然死してしまうほど無理をしていた。彼女が突然死する前はゴールデンウィークだったのだが、彼女は全出勤をして必死で稼ごうとしていたのだった。
熟女デリヘルは単価が安く、1回転で数千円ほどしか稼げない。やってくる客はそれほど多くなく、出勤しても客がつかないこともしばしばある。連日のフル出勤を風俗嬢たちは「鬼出勤」と呼ぶのだが、彼女もまた鬼出勤していたのだ。
しかし、鬼出勤しても客がつかないことには稼げない。客の指名がつくまで彼女たちは狭い待機室やネットカフェでひたすら何時間も拘束されて待たされる。稼がなければならないのに、何もできずに時間だけが過ぎていく。
ふたりの子供を抱えており、何とか現金を持って帰りたい。シングルマザーだった彼女の焦燥感は、かなりのものだったに違いない。彼女の亡くなった場末のラブホテルの一室は、そんな彼女の怨念が漂っているような雰囲気だった。
必死で生きて無念に消えていったシングルマザーの生き様がそこにあった。
シングルマザー約123万世帯の半数が貧困
シングルマザーの家庭、つまり「母子家庭」は日本ではどれくらい存在するのか。
厚生労働省の『平成29年度母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況』によると、母子世帯は約123万2,000世帯となっている。
最初から未婚のままシングルマザーとなった世帯や、死別によってシングルマザーになった世帯もあるのだが、ひとり親世帯になった理由の79.5%は離婚によるものであるのが統計から見て取れる。
この母子家庭の相対的貧困率は54.6%で、分かりやすく言えば約半数が貧困にあえいでいる。
無職と非正規で62%を占めている
母子家庭の18.2%、つまり約20%の母親は仕事を持っていない。そして、仕事を持っている母子の43.8%は非正規である。シングルマザーは無職と非正規で62%を占めているということになる。
子供を抱えたシングルマザーは、子供を抱えてフルタイムの仕事はなかなか難しい。子供に時間を取られて仕事に打ち込めない。できる仕事は非正規のパートタイムばかりで、それも子供の都合で休みがちになる。
月10万円の生活
では、この非正規で働いているシングルマザーはいくら稼いでいるのだろうか。厚生労働省の資料『ひとり親家庭等の現状について(平成27年4月20日)』によると、平均年間就労収入は「125万円」であると述べている。
125万円と言えば、月換算で計算すると約10万4,200円ほどである。ざっくり言えば月10万円がシングルマザーの収入であると言える。10万円で母親は自分と子供の生活を成り立たせなければならないのである。
今の日本では、自分ひとりで10万円で暮らすというのも経済的に苦しいが、母子家庭はそこに子供が加わる。その貧困は私たちが想像する以上に悲惨なものになっている。
谷町九丁目のラブホテルの一室で突然死して見捨てられた47歳の女性が、なぜそんな歳になってデリヘルの仕事をしなければならなかったのかは、こうした統計をつぶさに見ていけば浮かび上がってくる。
都会の片隅で死んでしまった彼女だけでなく、多くのシングルマザーは普通にしていれば生きていけない極限状態にある。まして具合が悪いからと言って休んでいたら、なおさら生きていけない。
カサブランカ・グループ
西日本で有名なデリヘルにカサブランカ・グループがある。広島から始まったデリヘル・グループだが、創業者は長谷川華という女性だ。
彼女にインタビューした時、「シングルマザーの女性も面接にくる。若い女性に需要があるのは当然だが、30代以上の女性の方も想定以上に需要があった」と語っていたのは印象に残った。
長谷川華さんは『ママの仕事はデリヘル嬢』という書籍を上梓している。そこには、彼女自身もまた離婚してシングルマザーとなり、次の男ともうまくいかずに別れ、電気もガスも止められた翌日にデリヘル嬢になることを決意したと記されている。
日本では結婚したカップルの3組に1組は離婚に至る。離婚に至る理由は様々なものがあるのだが、現代の日本は昔と違ってひとり親世帯に転がり落ちやすい環境にあると言える。
子供を抱えて離婚すると、子供の多くは母親が面倒を見ることになる。本来であれば、離婚したとしても父親が養育費を送らなければならないのだが、養育費の未払いは珍しくない。取り立てようとすると、住所すら分からなくなる父親もいる。
その前に、もともと稼げていない父親も多い。取り立てようにも現金をもっていないのである。そうなると、女性は働きながら何とか自力で子供を養わなければならない状況になる。
しかし、こういったシングルマザーにフルタイムの仕事は、なかなかできない。子供に時間が取られるからだ。
そうなると働き先は必然的にパートになるのだが、このパートの基本賃金が安いのである。しかも、子供が病気になったりすると欠勤も余儀なくされるので、収入が減る要素の方が増えていく。
娘の制服代が致命傷になった
2014年9月24日、千葉県銚子市の県営住宅に住む母子が賃料滞納のために立ち退きを迫られた。このシングルマザーは長年の生活苦に疲れ果てていた。
家賃の滞納も生活苦から来たものであり、ここを追い出されると彼女は14歳の娘と共に路頭に迷うしかなかった。
そのため、母親は親子心中を思いつき、立ち退きの日に娘の首を絞めて殺し、死んだ娘の側で母親は娘が写っているビデオを無言で見ていた。このビデオが終わったら、彼女は自分も死ぬつもりだった。
しかし、その前に立ち退きの執行官がやってきて、母親は死ねなかった。そんな事件があった。
彼女も離婚によってシングルマザーになっていたのだが、離婚の原因は、夫のめちゃくちゃな経済観念だった。元夫は分かっているだけで600万円近い借金を持っていた。
彼女は自分の親に金を借りて元夫に渡した。それは働いて返してもらう約束をしたのだが、元夫はその約束を守らなかった。結局、このことが原因で別れることになったのだが、夫はその後、カネを返さないまま行方不明になった。
彼女は給食センターのパートで働いていたのだが、月給は平均して11万円程度であった。
その中で、彼女は娘が欲しいというアイドル関連のDVDやデッキや液晶のテレビなどを買い与えていたのだが、親としてなるべく子供に貧困を感じさせないように努力していた形跡が垣間見える。
こうしたものは分割36回ローンでまかなっていたが、もともと月給が少ない彼女にとっては痛い出費だっただろう。
やがて、娘が中学生に上がる頃、娘の制服代が払えずに社会福祉協議会に借り入れをしたのだが、それでも足りずに彼女は関わってはいけないものに関わった。
ヤミ金に足りない金を借りたのである。利息も聞かずに彼女は金を借りた。そうすると毎週1万円を返せと激しく電話がかかってくるようになり、少しでも返済が遅れると脅されるようになってしまった。
このヤミ金にカネを毟り取られ続けて家賃も払えなくなってしまい、そして強制立ち退きの日に娘を殺してしまったのだった。
娘の制服代が致命傷になった悲しいシングルマザーの事件だった。
貧困が原因のトラブルの連鎖
一度、そうやって貧困側に堕ちていくと、ありとあらゆる要素が悪い方のドミノ倒しになっていく。
アメリカのピューリッツァ賞の記者であるデイヴィッド・シプラーは、著書『ワーキング・プア アメリカの下層社会』の中で、このように述べる。
「どの問題もその他の影響力を増幅させ、すべてがしっかりと結びついているため、1つの不運がもともとの原因からずっとかけ離れた結果を伴う連鎖反応を起こすことがある」
日本では「弱り目に祟り目」だとか「泣きっ面に蜂」という格言がある。いったん問題が起きると、それが引き金になって次から次へと悪いことが一気に表れる。
デイヴィッド・シプラーが、上記の著書で述べている例はこのようなものだった。
1. 荒廃したアパートに住んでいる。
2. それが、子供の喘息を悪化させる。
3. それが、救急車を呼ぶことにつながる。
4. それが、払えない医療費となる。
5. それが、カード破産を招く。
6. それが、自動車ローンの利息を引き上げる。
7. それが、故障しやすい中古車の購入になる。
8. それが、職場の遅刻につながる。
9. それが、昇進と稼得能力を制約する。
10. 荒廃したアパートから出られなくなる。
悪いことが、次の悪いものを引き寄せ、それがまた悪いものを引き寄せる。荒廃した粗末な住宅に住んでいることが、予想もしない悪影響を与え合って、どんどん自分の足を引っ張る。
まるで玉突き衝突のように、ひとつの悪いことが次の悪いことを引き寄せて止まらない。そうやって、負の連鎖、負のスパイラルがぐるぐると回って、いったん蟻地獄に落ちると、這い上がるのに相当な時間がかかるか、もしくは二度と這い上がれなくなってしまうのだ。
ひとつ踏み外すと、彼女たちはいつでも地獄が待っている
人の人生はとても不確かだ。
今は順調でも、何かほんの些細な出来事や決断が、予想もしない致命傷となって自分の人生を壊してしまうことがある。今の日本は、シングルマザーにそうした転がり落ちるような貧困に向かわせる社会となっている。
約123万2,000世帯の母子家庭のうち半数は順調ではなく、いつでも極限に沈む恐れがある。社会全体が縮小していくと、シングルマザーの苦境も放置される。場末のラブホテルで突然死し、放置される事件も起きる。
ひとつ踏み外すと、彼女たちはいつでも地獄が待っている。
2019-9-22
船中発策 国政改革
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