
友人から勧められて成田悠輔著「22世紀の民主主義」を読んだ。こちらにITの知識が不足しているので、それを眠気と戦いつつ読み飛ばしただけであった。
アルゴリズムはこの本では重要なタ−ムであるが、小生には読む前にも読後にも身についていないのであるから、この本について何かを述べる資格はないようである。 ここから得るものが少ないのは、受け取る小生に問題があるのでしょう。
YouTubeで見かける作者は飄々として「一皮」むけた人物のように見受けられる。彼が何かを持っているような印象を小生は受けた。 作者は東大の卒論で賞を受け、米国の有名大学の教諭をしている。 勉強をしなくて東大に入った天才肌の人物のようである。
著者が云うような「22世紀はAIの判断で政治家の役割や政策を代替えさせる」考えには大いに不安を覚えます。 AIは受験秀才の知識のように効率よく巨大な知識により最適解を求めたものであると、小生は考えているが、必ずしもそれが最善なものではない。それを抜けた突飛な解は得られるものであろうか。
大衆は常に間違うものであり、原理原則もせいぜい10年くらいしか賞味期限が無いということを我々は知ってしまった。 柔軟な認識から現状の変化をとらえて、それを修正していくことが大事だと思う。良かれと思っていたことも、常に検証して、時には今までの逆に見えることさえ行わねばならない。
自分に振り返って、小生は「フリ−、フェア−、グロ−バル」を唱える大前研一さんの会に所属した。それは世の中に何も貢献することはなく、会の名称は政党にパクられ、派遣社員が増大し主力となる社会を創生しただけであった。
大前さんによる発信が聞こえてこなくなり、今では精彩を失ったように思える、ひとつの時代が終わったと思っている。今となっては残った標語「フェア−」な社会を望むばかり。
民主主義はギリシャのアテネに起きたものである。民主制はローマの時代とは違い短い期間のものであった。 それも奴隷制度のもとで限定されたアテネ市民で構成された。最後はソクラテスを死刑にするようなデマゴ−グに支配されるような不完全なものであった。 ちゃんと機能していた時はペリクレスの戦没者追悼演説のような高らかな時代であった。
塩野七生さんの「ギリシャ人の物語 3巻」を読んで欲しい。
そこで小生が学んだのであるが。
民主主義には衆愚の問題を解決できないものとし、良きリ−ダ−を持つのは民主主義には必須と思う。それは独裁とは紙一重であるので、それを弁える指導者が必要となる。
その指導者の登場の背景はどのようなものになるのかは分からない。ただ、教育の大きな目的のひとつにリーダ−の養成を掲げて時間をかけて待つしかないのか。 専制による成果は短期に実現できるであろう、しかし、すぐにも腐りはじめるものと知り。 愚昧なわれわれの効率悪い成果を積み上げ、また、改良していくしかないものとしよう。
2022-10-3
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