
港内から南東方向を見てみるとちょうど山間で風が抜ける地形のようだ
指宿より内之浦に向かった。 このことは今回のクル−ジングで難関と予想してきたが、実際にそのようになった。 台風の時にはヨットを出すことはないけれど、台風並みの烈風・風速30mで内之浦港に入港する事態となる。
前日のウインデイの予報ではこの日の夕方近くになると赤表示の風速予報で、そのような時には出港を中止するのが常である。 事前の航海計画では指宿―内之浦50マイルとして平均5ノット弱で10時間の航海を期待していた。南西の風の予報ゆえに大泊泊はウネリが入りそうなので避けたい。本当はそこを中継地にして一泊して距離を縮めたいのではある。
朝五時に指宿を出港。 佐多岬を大きく沖出しして、後方からの大きなウネリを受けながら航行する。 出港の時に迷いがあった気持ちも、途中では、やっぱり今日出て良かったという気分であった。 ロケット打ち上げ場近くに来るとだんだん風が強まり、火埼を回り込んで内之浦湾に入るころには真っ白な白波である。 追手の強風でも岬をかわすと風が弱くなりセ−ルを畳んだり入港準備ができることが多い今までの経験だが、今日はそれを許さない。
後からニュ−ペックスマ−トをチェックすると入港までに2回転している。 港口では船速がゼロの時があった。 港内に入っても白波で真っ白である。とても接岸できるとは思えない。 漁港の真ん中付近でアンカーを打った。 コックピットから打ったのでアンカーロープを船尾から船首にもやって風に立てた。おもてから風を受け機関を廻したまま、雨の中をアンカーワッチする。 夜10時過ぎに風が少し凪だのでカッパを脱ぎバースにころがりこんだ。 朝起きたらウソのように凪いでいたのでアンカーを巻き上げてヨットを着岸することができた。
岸壁に前日から繋いでいたヨットマンに伺うと、昨日はとても助けようにもヨットから岸壁に登れるような状況ではなく、ヨットの計器で風速30mを示していたと聞いた。こんな日に出てはいけないとも忠告される。
シングルハンドではアンカーロップを整理しておき、いつでも使用できるようしておくのが、命を守るということでしょう。 といっても老生のヨットは難民船と呼ばれるくらいに物が多く片ずいていないヨットではある。

夏の時期の南西の強風時には内之浦港は吹き抜けの風があるので、十分に注意する必要がある。
2023-7-18
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