2025年02月05日

観戦武官    ウクライナへの派遣を

   



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 沙河会戦における観戦武官団および従軍記者団(1904年、日露戦争)



 最近はウ クライナ戦争が停戦になるような状況が報道のなかに感じられるように小生は思えます。 戦争・戦闘が行われると今までの戦術・兵器が役に立たないことが判明し、その解決手段を柔軟な思考のなかで見つけたものに微笑みが訪れるのが常です。

 ここでも採り上げた日露戦争のときのアルゼンテイン観戦艦戦武官の証言は見事なものでした。 その彼は軍のトップになります。

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 ウクライナ戦争では、1万ドルのドロ−ンが数億円の戦車を撃破する。 また、榴弾砲にそれが砲撃位置を指示して正確な射撃をするなど、新に登場した兵器により戦場が一変しています。 我が自衛隊は優秀な観戦武官をウクライナやロシアに派遣しているのであろうか。

 在外大使館に駐在武官として自衛官を派遣していると聞いていますが、田舎老人にはその詳細を存じません。  先の戦争でスウエ−デンの駐在武官よりソ連の対日参戦の情報を、敵ポ−ランドからの重要な情報を活用できなかったことがありました。(これはポ−ランド孤児を救った恩返しでありますが)間抜けなことにそのソ連に和平を依頼した日本でした。 また、第1次大戦での観戦武官の近代戦の情報を生かせなかった失敗もあります。

 ウクライナ停戦の兆しが見えてきたなかで、世界最悪の地政学的位置にある日本が、情報を正確に把握して行動できるように望むばかりである。


    2025-2-5



    観戦武官    2016-1-23 掲載



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 沙河会戦 黒木将軍と英国観戦武官ハミルトン


  秋山真之が観戦武官となり米西戦争で港湾封鎖を学び、日露戦争で旅順港閉塞作戦をしたことは有名です。

 ここでもアルゼンテイン士官・ガルシアのことを書いています。それは詳細な分析でよく分かったなあという優れたものです。 英国のハミルトンも 同様に記録を残しています。 アメリカはマッカ−サ−の父親が日露戦争に観戦武官として派遣され、マッカ−サ−も副官として同伴しました。 彼は占領軍司令官となって日本に来て、彼はどうして今の日本の将軍達には、日露戦争のときの将軍と違うのかと嘆きます。

  日露戦争は、陸海軍ともに当時の近代戦のさきがけとなったものです。旅順攻撃で、機関銃で守られた側へ突撃攻撃の無謀さを観戦武官は学んだはずですが、第1次大戦では、それが生かされずに数百万人の戦死者をだしました。 同様に日本でも第1次大戦の教訓を次の大戦では生かせませんでした。 

 第2次大戦では観戦武官の制度は、戦争が世界的に広がった戦い故でしょうか、見られなくなりました。 日本の自衛隊は密かにでも湾岸戦争など派遣しているのでしょうか?


国     武官名   戦争名     観戦・報告・その後             最終地位

徳川   榎本武揚   シュレ−スヴィヒ・ホルスタイン戦争 プロイセンとデンマ−クを観戦  中将                  徳川  赤松則良    同上
日本    大山巌    普仏戦争                     元帥
日本    秋山真之   米西戦争                     中将
日本    柴五郎   義和団の乱                    大将
アルゼンテイン マヌエル・ガルシア 日露戦争 日本海海戦・軍政に関する報告 
                                         海軍大臣
イギリス イアン・ハミルトン 日露戦争  第1軍に従事              大将
イギリス ペケナム      日露戦争  戦艦ドレッドノートの設計に活かす    大将
フランス コリヴィザール   日露戦争
米国 アーサー・マッカーサー 日露戦争  野木将軍の第3軍に随伴        中将
米国 パーシング       日露戦争
ドイツ ホフマン・マックス   日露戦争   タンネンブルグの戦い        中将
ブラジル            日露戦争
チリ              日露戦争
オーストリア          日露戦争
オスマン帝国 ベルテブ・パシャ 日露戦争   旅順・奉天の戦いで負傷     参謀本部長
イタリア            日露戦争
スエーデン           日露戦争
スイス フィリッツ・ゲルチェ  日露戦争
スペイン            日露戦争
日本 下村忠助         第1次大戦   ユトランド沖の海戦で戦死     中佐


       2016-1-23


posted by 速魚 at 02:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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