
現代科学出販刊
この本の題名を目にするや老人の我にはこんなことが本当にあるのかと思ってしまうと、同時に実現できるはずが無いとも思える。 一部上場企業に新卒で入社して60歳の定年まで勤めて企業年金の無い中堅どころの会社では月に17万円程度の年金である。カミさんが専業主婦であるなら、妻の支払いを免除されて国民年金の5−7万円が増加する。 無事に定年退職と同時に熟年離婚を免れればなんとか暮らせるであろう。もらった退職金1000万−2000万円の中から住宅ロ−ンの残債に清算することなく満額を所持している前提があった上での「老後の安心」ということである。 政府は老後には2000万円を貯えを持てとのキャンペ−ンを以前していた。 しかし、現在は不安があり老骨に鞭打ち70歳近くまで働くことを余儀なくされている現状も多い。 老人は万一に備えて、貯えを崩さずに消費を抑えてビクビク暮らしているのが実のところである。 健康寿命の男性は72.68歳である。70まで働くと2−3年の健康であるので、老後を満足に過ごすには65歳でリタイアしないと残された余生は少ない。
著名な評論家が老後になる前に姨捨山と同じように集団自決をするような論評さえ見られる。それを社会的には非難する話は聞こえてこない、 若い世代は暗黙の了解事項とされているのであろうか。
年金については積み立てしたものをもらうものだと説明を受けていた。そうではなく、いつのまにか世代間の支えあいに説明に代わっていた。少子化が止まらないので少ない者が多勢の老人を面倒見ることになる。 消えた年金の時に明らかになった、年金制度の初期に腐った高級厚生官僚が「今のうちに支払われた年金を使ってしまえ」という生々しい記録が明らかになった。 支給開始までに亡くなった方々は納め損、平均寿命まで生存すればトントン、それ以降は儲けという年金制度が現実でしょう。
本書の三橋さんは題名のようなキャチ-なものでこの本を買ってしまった自分である。彼の言う貨幣の理論は老生には理解が及ばないものである。 それゆえに筋立ったお話はここに展開できません。 羅列に終わります。
「総需要が供給能力を上回るインフレギャップと、生産性向上の投資こそが経済成長の祖なのである」
「需要は政府が支出することで拡大することが出来る。そして、国債発行を財源した年金増額は、確実に需要を増やす。」
「過去の日本政府が緊縮財政を継続し、投資を怠った結果が将来へツケを残すことになった。」
「国の借金は将来世代へのツケの先送り」等の間違った財政破綻論により投資を怠った。」
現在でも年金支払いには国債が使われています。老人の年金を倍増して足りないところは国債を発行することで消費が旺盛になりデフレギャップを埋めて国民所得もアップする。 30年のデフレから脱却して政府の投資不足を解消して財政破綻に落ちることも無い。 詳しくは本書をお読みください。
爺の世代は1年で給料が倍増した時期がありました。今考えればウソのような時代です。高度成長とはそのような時期でした。同時に鉛筆1本10円であったのが百円に上がる、何もかも値上がりラッシュの当時でした。 小生のような下ッ端には銀座で1万円を見せびらかしてタクシーを探す記憶も無し。世に云う程のバブルの恩恵を受けてはいません。 それよりも、給料のアップにそれ以上の物の値上がりで、生活が追いつかない感覚が実感ということでしょう。 あのインフレ成長システムに上手くダマされていたのかもしれません。 それでも社会が上向きで明るい将来を個々が持ったような時代。 Youtubeで最近よく目にする主題「日本は貧しい国なんでしょう?」それが覆える結末で終わるエピソ−ドの動画があります。 東南アジアの国々の人もそう思っているのには驚きます。そこまで下がったのかと自覚を促されます。
https://www.youtube.com/shorts/gDve4ymF_tc
老人の年金倍増でもなく、少子化対策、教育改革でも、何でも国債発行による国の投資を増やすことが解決の道であろう。
蛇足
年金に心配の方は国民年金基金の加入をお勧めする、 イデコやらニーサの制度ができたようだが、爺の時にはそれらは無かった。50位から月に2−3万円の積み立てをして現在月に5万円もらっている。15年積み立てて36x15=540万支払、現在まで60x12=720万支給、 もう元は取ったが、早死にしなければ民間より相当お得です。 詳しくはご自身でお調べください。
2025-3-11
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