2013年04月24日

護送船団

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   護送船団方式といえば、最近まで続いた政府と企業が一体となって守っていくシステムのことです。本来の意味は戦時中に海外輸送をになう商船を海軍が守って安全な輸送を行うことです。
 第一次世界大戦の折、イギリスはドイツの潜水艦に手痛い損害をうけ、日本も日英同盟の要請により地中海に駆逐艦を派遣した歴史があります。第二次世界大戦の時には、前の大戦の戦訓からイギリスは日本は十分な手当をしていると誤解しておりました。しかし大戦後半になって護衛司令部を設けましたが、補助的な艦隊を充てるのみで内地への輸送力が機能せず、資源や油に事欠き敗戦の最大の理由になりました。商船乗組員の死傷率は海軍兵士のそれを大きく上回る結果となりました。

 イラン・イラク戦争の時に小生はペルシャ湾の最奥部のクエートに輸送パイプを日本商船で運んだ経験があります。唯一のお守りは船腹に書いた日の丸でした(笑)。イギリス商船は湾の入り口でコンボイ(船団)を組み軍艦に守られて航行しておりました。大変にうらやましく思いました。日本はイランから攻撃を受け船員も亡くなっております。戦前からの軽視は続いています。政府には日本人の生命と財産は守る使命があると公言しますが、実際は絵空事でありました。
 こんな出来事があるということは、九条を守れと言っている人々の想像力の片隅にもないことのようです。たとえ商船を守るための自衛戦闘(バトル)になっても、戦争(ウオー)とは違います。戦争反対の主張は正しくても、そこにはそのために犠牲で死んでいる人もいることを知るべきです。
 海外にいる邦人救助に、にアルジェリア事件の後で。海空の部隊のみによるより加えて陸上部隊でも可能にするよう検討しています(改正して可能になりました)。今まででもイランからの邦人救出の折には、当時国営の日本航空は機能せずに、トルコ航空が救援してくれました。これは明治時代の海難救助した旧恩に報いてくれた行動でした。 
 商船護衛のことはまだ想定外ということでしょう。シーレーン防衛とは掛け声だけで、今のままでは守れるはずもなく、日本は総力戦は戦えません。頼りの日本人の乗り組みの外航日本船は絶滅したか又はほんの少数です。戦争反対を叫んでいる人々の努力のたまものでしょうか、日本は戦争できない国です。今のままならまた負けます。
 
      2013-4-24


 日本版・海自保安プログラム
  http://hayame2.sakura.ne.jp/details1037.html#保安プログラム
  ボートピープル救助と難民政策
  http://hayame2.sakura.ne.jp/details1037.html#ボートピープル
  脱走兵の処遇
  http://hayame2.sakura.ne.jp/details1016.html#脱走兵




posted by 速魚 at 00:54| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
私も当時ラスタヌラ、クウェ−ト等VLCCでタンカ−乗りをした一人です。
日本政府は我々を見捨てたうえに、今もそのことは国会で一言も発言がありません。戦争地帯にいった事も無いバカ議員の無意味な国会審議に腹が立ちます。
Posted by 水急不流月 at 2014年07月16日 16:17
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