2013年07月12日

ノブレスオブリージュと責務

00002.gif

 下記はウインドウズ95の時代に、今は老人ですが、暇こいてるおじさん時代に、RPG作成ソフトを購入しました。そのメーカーが賞金1000万円のゲームコンテストを主催したので、半年もかかってヴェネツイアをメインテーマにしてゲームを作り応募しました。内容もそうですが、それ以前の問題でしょう、見事に落選でした。人生を無駄に過ごした良い例です。

 以下はそのあとがきと称してゲームにはめこんだものです。最近は歴史ものが盛んですが、歴女もこのヴェネツイアやローマをもっと知ってほしいですね。 今でしょ! 人口20万そこそこの小国が、情報を重視する政策を採り、当時の欧州の大国として1000年も栄えた交易国家でした。もっともっと学ぶことがありますね。

ヴェネツイア  ”ノブレスオブリージュ” と ”公”  民主主義と開発独裁

最近の報道です.日本人が欧州で車が故障して立ち往生しているところに,さっそうと王族のひとりが現れて,車を修理してくれて立ち去った....こんな記事がありました.
ヴェネツイア人の”ノブレス・オブリ−ジュ”(尊き責務)はしばしば登場します.(注;13世紀末のグラデニ−コによる)政治改革以降の(ヴェネツイア)貴族をノブレスと云っています.車の件はさしずめ現代版王族の”責務”といった趣ですね.塩野七生さんによればそれは「体を張って他者を守ること」だと述べられています.ノブレス(ノ−ヴィレ)は持っている資産や地位や優れた個人の資質によって尊敬されているのではなく,それを利用して持っていない人を守るから敬意を払われているのだと述べています.

振り返って我が国でありますが,江戸時代にはサムライが存在しました.日本では城下町というものがあります.これは欧州のぐるりと町を城壁で取り囲んだ城中町とでもいう形とは明らかに違っています.戦争の時にサムライが庶民を守る伝統がなかったから生じた違いでしょう.先の戦争で戦車連隊の小隊長をされていた司馬遼太郎さんが書かれていることですが、軍の参謀よりアメリカ軍が上陸してきた折りには避難民をひき殺してでも,駐屯地の佐倉から南下して進軍セヨといわれたと書かれています.つい最近までその国民を守る伝統がなかった、ということでしょう.
 また一方では同じく司馬さんによれば「公」という観念が江戸時代には存在しました.そのことで本に書いておられますが,吉田松陰はおじの玉木文之進から教育を受けました.松陰が孔子や孟子の朗読をしていて顔にとまったハエを追い払って、おじからひどく叱られます.サムライの子供でも聖賢の本を読んでいるときは公務である,その時にカユイという私情を差し挟むなということで、崖から突き落とされ、さらに殴られます.それを見ていた母親が、心の中でそんなつらい目にあうなら、いっそ死んでしまいなさい、と思うような厳しい「公」教育があったようです.今ではサムライはテレビの時代劇の悪代官の影響が強いようですが,武士は清貧で汚職をしなかったようです,だから尊敬されていました.ノ−ブルと「公」は共通するところがありますね.

 ヴェネツイアのノ−ヴィレとサムライの違いは何でしょうか?ノ−ヴィレは政治に携わる栄誉のみを持ち,他のいかなる特権を持ちませんでした.”切り捨て後免”などの特権を持ったサムライとは違いがありました.

またヴェネツイアでは13世紀の半ばより「ム−ダ」という国有船団による定期船方式を始め,輸送料を払えば誰でも荷が積めました.勝手に値をつりあげて独占を許さない制度です.交易に参入したい商人には自由に参入機会を保証する制度です.この制度を政府を握った大商人(ノ−ヴィレ)によって国是としてやった国です.こんな例は歴史上で余りないと思います.特権を握った支配層はそれを手放しませんね。私が考えるノブレスの最もえらいところです.ヴェネツイアが1000年続いたのも分かるような気がします.サムライにも,もちろんこんな例はありません.

日本の「公」ですがその伝統は日露戦争までは続きました.列強の圧迫を敏感に感じ取った”いしんの志士”たちにより、明治という変革を成し遂げました。志士の世代が死んで指導層が”秀才官僚”に変わると次第に「公」は忘れ去られたようです.先の敗戦で軍事官僚は消えましたが,戦後も明治以来の官僚支配は続いています.「公」という問題、日本のノブレスの問題は、キャリア官僚ではなくて,世界的には汚職の少ないノンキャリア役人のほうに,今でも遺伝子が少しはあるのかもしれません.農地解放までの一部の庄屋・名主クラスの人にもありましたね.

関連して民主主義のついてですが,これは日本では敗戦後”戦後民主主義”として与えられ定着したものですが,これには土台というものがあるように思います.自給自足で生活している社会とか農業が中心の国では定着しにくいようです.敗戦までの日本もそうでした.民主政体は人のよって立つ”生活基盤の中に合理性”が基礎を成している社会の上にしか定着しないものです.歴史上はギリシャのポリスとかヴェネツイアとかの小さくて交易で成り立つ国で生じ繁栄しました.間違いを恐れずに云うと,商業や製造業などで,読み書きそろばん,商売上の信用などが要求されないところでは民主主義が育たないのではないのでしょうか.また隣国の例をだして申しわけないのですが,韓国でもこのレベルに達して民主化が起きました.韓国は財閥制度を利用して発展する限界を超えたので、今は経済的には変革のときです。政治的には,韓国は今では日本より先を行ってるのではと感じるほどです.でも、韓国と中国はけ口に、今は無い過去日本のことを持ち出すことはやめましょう。

ここで誤解を招かないようにしたいのですが,自給自足から高度な情報社会にならねばならない必然はないということです.それはおいしい食材をひとつの調理法でだけで食べるようなものですね.塩野さんが云うように「善政必ずしも民主政の独占物にあらず」でしょう.
戦後の植民地独立諸国が現実的には開発独裁の制度を採用してきました,日本も明治から敗戦まではそのようでした.共産主義の問題も、開発独裁のひとつの民族の歴史的な地域表現と、思えばいいのではないでしょうか.そこには効率がいいという必然があるからです.問題は役割を終えたときの転換でしょう.我が国は大きな犠牲を払った戦争でしか解決できませんでした.ソ連はえらかったですね,85年のピ−クの軍事力を使わずしまいでしたから.

日本の問題に戻ります,戦後の日本のノブレスの人達まあキャリアの官僚ですが,食うや食わずの時代から再出発をしたせいで,緊張感が持続したのでしょう、85年位までは中流意識を皆が持った、ということで善政を敷いたといってもいいのではないでしょうか.必ずしも個人への分配が公平公正であったわけではありませんが,それ以降の状態はもう申すまでもございません.結果がでていれば,どこかの大統領のように,自分で引いたレ−ルでもないのに快調に走っていれば,少々のことは許されるのでしょう.

そこで小生の”ノブレス・オブリ−ジュ”を踏まえての提案です.占領政策のひとつとして成った戦後の大衆民主政体ですが,50年続いて来たものを今さら後戻りはできないでしょう.いろんな意味での民度が上がるまでの過渡的形態として,参議院の議員の選出を,税金を多く納めた法人代表や個人から選んでみたらいかがでしょう.現在の古い基盤の代表が政治を握っています.グロ−バルな競争に勝ちぬいた産業基盤の代表がノブレスが新しい時代を築くべきではないでしょうか.

本当に最後ですが,ヴェネツイアはその後,ジェノバ,トルコと戦うことになります.ジェノバは同種のものの戦いゆえ100年も戦いますが,より優れたものが勝利をおさめヴェネツイアは勝利しました.トルコに対しては,ヴェネツイアは自分が合理的な判断をするがゆえに他者もそうするという失敗に悩まされ続けます.滅亡のときは同じ過ちでナポレオンに対して”非武装中立”を宣言しますが滅亡してしまいます.
周辺諸国の我が国に対する対処の仕方が、合理的な判断によるのかよらないのかに寄って、安全保障の問題を考えるべきであります.傭兵に頼っている国があれば,それはその国の存亡にかかわります.日本は自国民で守る気概とそれを補完する軍備が必要でしょう.それが相手に思い留まらせるものだといえましょう.先の大戦で中立を保ったスイスとスエ−デンはヒットラ−を思い留まらせる軍備を持っていたことを忘れてはいけないでしょう.これらの国の軍備は侵略的な軍備と別物だということも知らねばなりません.

以上ヴェネツイアについて思いついたことを述べてみました.

    映画 ヴェニスの愛 より ベネツイア貴族マルチェルロのオーボエ協奏曲  5.02分             ;     http://www.youtube.com/watch?v=rDFFEDGCcio; いいねえ
   http://www.youtube.com/watch?v=aYnU-CaH0bM  10分

  ;ヴェネツイアのジョヴァンニ ガブリエリの曲  サンマルコ寺院で鳴り響いていた曲  70分
    ;http://www.youtube.com/watch?v=tHSpsHcpRp8

  
    2013-7-12


    安保法案 緊急提言
    http://hayame2.sakura.ne.jp/99_blank004.html#安全保障 強行採決前に
    速魚による船中八索
    http://hayame2.sakura.ne.jp/list1.html
    財政破たんの先例
    http://hayame2.sakura.ne.jp/details1.html#財政破たんの先例






    
posted by 速魚 at 15:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/70837749
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック