ソ連の空母ミンスクが1979年に日本海にやってくるので、盛んに当時のマスコミが北海道が危ないと大騒ぎしていたのが、想いだされます。ミンスクも後で分りましたが、機関に致命的な修理が必要で、無理を重ねて日本海にきたようでした。
日本では西ドイツの予備役のことはあまりよく知られていません。なぜ日本と違って、西ドイツでは徴兵制をとっていたのかも知られていません。西ドイツでは敗戦以後も圧倒的なソ連の通常戦力と対峙していました。NATO軍の戦力では、それに対して不足で、戦術核の使用で対抗することになります。ドイツはこと起こったときは、自国の領土で核戦争の戦場になる、厳しい状況です。それゆえドイツは通常戦力の増大の路線をとりました。ドイツの再軍備の制約で12個師団に限定されていたので、予備役の創設をします。正規軍34万人をしのぐ予備役59万人の大兵力を編成しました。徐々にそれを第1線部隊に準ずる装備に拡充してます。編成改革を重ねていくことにより34万人から90万人に増大させます。それで防衛線をライン川からエルベ川に押しやることができました。自国の領土での核戦争は遠のきます。1970年代末ではエルベ川をはさんで東西均衡した兵力になりました。1987年に至ってゴルバチョフは攻勢戦略を取り下げパワーバランスの逆転し冷戦が終結します。
現在の日本はミンスクの時代よりも、もっと脅威が高まっております。ソ連の太平洋艦隊はマスコミが騒ぐほど、たいしたことありませんでしたが、最近の中国の海軍の増強ぶりは目立っております。中国の空母はミンスクと同じですが。注意しなければならないのは、自分が合理的に判断をするから、相手もそうするとは限りません。日本もパワーバランスをとっておく処置が必要でしょう。
追補
2011年 ドイツは徴兵制を停止し連邦軍は職業軍人と志願兵だけになった。ソ連が崩壊したので、現実対応したということですね。
2013-7-15
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