2013年10月19日

地中海孤島めぐり2

2. エスパルマドール

 espa00.jpg

ibiza 70.jpg

 エスパルマドールと呼ばれる島がある。よほど詳しい地図を見てもインクの染みにしか見えず、多くはフォルメンテーラ島と地続きのように描いてあるが、エスパルマドールは深さ2メートル、幅50メートルばかりの水路で隔てられた独立した島である。その名の由来ははっきりしない。ローマ時代にはすでにエスパルマドールと呼ばれ、見張りの塔が建てられていた。島の形が鎌に似ているところから、エスパルマドール、すなわち、干し草を刈る大きな鎌と呼ばれたとか、パルメーラがなまったものだとか言われる。確かに、この平らな島の中央に実にみごとなヤシの木がそびえているが、2000年も前から生きながらえていたわけではあるまい。
 誰も居ない白い砂浜、あくまで澄んだ海の水、南洋の無人島にはロマンをかきたてる何かがある。実際、この島の南西に口を開けた白い砂の湾を目にするまでは、海がこれほど透明度を持ちうるものとは信じられなかった。海底の砂模様が10メートル以上の水深を透して真近かに見え、群なす小魚は空を飛ぷ。この湾の抄は簿桃色をしている希有のものだ。波打ち際にピンクの帯がうねうね続く。薄桃色のビーチの秘密は貝による。波に砕かれ、砂のように細かくなったピンク色の貝が、砂より軽いのであろうか、白い砂浜を覆うように、柔らかいうねりを見せて縞模様を付ける。数年前、プレイボーイ誌に、地中海で一番美しいビーチと紹介され、映画やグラビアのロケに使われたが、未だに俗化をまぬがれている。島全体が一個人の所有になるもので、ホテルやバーのたぐいはもちろん、渡し舟もなく、そこへ行くにはヨットか漁舟をチャーター
するしか方法がない。入江の入口の黒く長い岩が防波堤の役割をなし、格好の投錨地となり、海図には古代からアンカーのマークが付けられている。今も夏には豪華ヨットが錨を落す。
 この鎌の形をした背の低い島は、一番高いところで24メートルしかなく、長い辺が2700メートル、短い辺で1000メートル、歩いて一周するのに手頃な大きさである。およそ6000年前までは、イビサ、フォルメンテーラと地続きであったと見られ、水位の変化により一個の島となった。その時代の唯一の住人は、いかにも原始をしのばせる黒いとかげである。この最古の島のオーナーはPODARUISPITYUSENSISといういかめしい学名を頂き、怪しげな艶を放ち、岩穴に群棲する。島の南西端、ローマ塔の近くき、パンやソーセージの切れ端を置くと、10センチ、15センチばかりの黒っぽいとかげが岩をすべるようにしてやって来る。 島にはもうひとつの名物がある。死海のように異常に塩分濃度の高い池である。私有地につき立入りを禁ずの立て看板を無視して島の中央に入り込むと、サッカー・グランドほどの真平らな盆地に出くわす。地位が海と同じか幾分低いのであろう、この窪地に入った海水が強烈な太陽の熱で凝縮し、さらに低いプールに溜まる。エスパルマドールの死海は、灰色の細かい粘土とまざりあって、身体がプカブカと浮く灰色の泥風呂となる。泥風呂は保温がよく、身休を浮かせながら本を読んだりすると身休の芯まで暖まる。リュウマチに効果があり、肌がきれいになるという。ホテルの乱立するイピサ、フォルメンテーラの間にこんな島が存在する。

     2013-10-19

  ヨットクルージング関係は専用サイトまで   http://gby.sblo.jp/ 
   
  カリブ海クルーズ
  http://hayame2.sakura.ne.jp/details1044.html
  日本周航
  http://hayame2.sakura.ne.jp/details1033.html#日本周航
  輸入代行
  http://www.gentlebreezeyachts.com/
  ヨット・ボートの改革
  http://hayame2.sakura.ne.jp/details1030.html


posted by 速魚 at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/78591297
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック