2013年10月20日

地中海孤島めぐり3

  3.カブレーラ島

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    マジョルカ島とカブレーラ島

 海図を見ただけで島影が脳裏に浮ぶような島がある。入り組んだ海岸線、切り立った岩、入江、点在する小さな岩。チャートに印 (しる)された便宜的なマークが、島の美しさをすでに語りかけて来るのだ。
 カブレーラ島をマジョルカの南東に発見した時、これは必ず美しい島に違いないと確信させるものがあった。深い入江は錨(いかり)を入れるのこ最適だろうし、複稚な海岸線)は変化に富んでいることだろう。
 カブレーラ島は軍の島である。従って、民間人は一人も住んでおらず、立入りすら禁止されている。が、禁を犯してもそこへ行ってみようと思わせるものがチャートの中にあった。いざというという時には緊急避難として湾に投描(とうびょう) すればよいという計算はあった。そして、その予想は当り、以後五回も緊急避難を繰り返すことになった。パルマ・デ・マジョルカからはカーポプランコを北に見て40マイルの航程である。セーリングヨットだと朝早く出て夕方に着く距離だ。カブレーラの入江に入った時、ノルウェーのフィヨルドに迷い込んだかと思うほどだった。北に狭い水路を持ち、その両署は切り立ち、海へとずり落ちちている。東側の岩山の上には中世の城が残っている。内湾に入ると周囲は緑なす緩やかな傾斜をもつ山々で、懐が深く広い湖が開けている。左岸に渡し舟用のコンクリートの桟橋があり、白く塗りたくった小屋が数軒あり、そして教会と兵舎、これらの建築物はいずれも小さく、庭番の小屋のようなつつましさで建っている。これほどの天然の良港はザラにあるものではない。中世の大型帆船も楽に入ることができるし、500トンクラスの船も収容できるであろう。おまけに、北に開いた水路の前にあるコネヘーラ島があらゆるうねりを一手にうけて座っているので、入江の中はいつも鏡のような水面を保っている。また、中世にあっては、入口の狭さは湾の守りを容易にしたことだろう。この島は、古来、海ゆく者の避難港として示されて来たが、長年にわたって海賊の島としての方が名か通っている。現存するカブレーラの城は、海賊どもが′砦として築いたものである。そして、現在も続いてい蜜輸。............................
( 原文コピー不鮮明のため数行不明です)  
 裏をかく密輸に異常な情熱を燃やして来た。冒陳と伝統的ピカレスク、おまけに実益を伴う密輸はバレアレス島民にとってこたえられないスポーツたった。60歳以上の漁師で密輸に関係したことのない者はいない極言する人もいる。マジョルカのボス、ホアン・マルチ、イビザの主、マトウテス一家も密輸で財をなした。
 島の歴史に暗い影を落としているのはナポレオンの時代てある。この島に9,000人の囚人が送られて来た。政治犯である。4年後、こ島を生きて去ることができた者は3600人だった。水と食料か絶対的に不足していたのだ。後に慰霊の十人架を建てたが、未だに人骨が散在し、霊がさまよう。
 カブレーラに上陸でき、島を一見て回ることができたのは偶然が作用している。湾に錨を入れ、静かな入江を、泳いで、いると、灰色の警備艇がやっ来た。これで美しい島を観光する許可をひげずらの艇長より得た。取締まりが一変して歓待となる。島には30人の兵隊と伍長、大尉、グワルデアシィビル、海軍士官、あひるが四羽、山羊が数頭、よノ吠える犬一匹、描が二匹住んでいるが、いずれも退屈し切っている。週一回、食糧・手紙を積んた小舟がマジョルカかち来る。こんな島にもバルはある。当番の兵隊がバーテンダーになり、映りの悪いテレビに精気のない顔向け、ただ兵役の終わる日を指折り数えている若者に極端に安い価格で酒を売っている。
 海賊の住処であったった砦に登る途中、岸壁にくり抜かれた洞窟が二つあった。もともと、砲台として築かれたものたが、ナポレオン時代、累々たる囚人の屍を そこへ放り込んだため近寄る人のいない無縁仏の墓地となり、亡霊か住むようになった。カブレラ島滞在中数多くのオバケ談義をきかされたことだ。孤島に少人数で生きることは人間を迷信深くさせるのだ。ここにあったという巨万の富の伝説も。
 カフレーラ鳥の夜に思いがけないドラマが待っていた。寝る前にひと泳ぎしようと跳び込んたところ、海面がバッと火の粉を散らしたように光り輝いたのだ。キラキラと黄金の更紗 (さらさ) のようにまはたき、指の聞から砂金がこばれるように、平泳ぎのひと掻(か)きひと掻きが水面に金の模様を作り出すのだ。夜光虫のなせるワザである。この半透明な、チッポケなプランクトンが外からの刺激によって発光作業をし、夜のカブレーラを演出してくれたのだ。汐の流れに乗ってこの湾に群棲したものだろうか、何度も目にした夜光虫ではあるが、カブレーラで見たものほと異な発生を知らない。水から上った身体をも黄金色の光で包み、宇宙人にさせる。
 カブレーラ島を訪れるには、10マノルばかり隔たったマジョルカ島の岬サリーナスの漁師に頼むのが良いだろう。この近くの島めぐりを用立ててくれる。

      2013-10-19

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posted by 速魚 at 07:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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