2014年02月05日

十字軍物語2 イスラムのこと

  塩野七海さんによる
 

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日本・イスラム・キリストの地位比較
      キリスト側     イスラム側            日本
宗教的    法王      カリフ・世襲制           天皇
       司教      イマム・導師
世俗的   皇帝・国王    スルタン・ヴィジル・宰相      将軍
      封建諸侯     アタペグ・太守・エミル       大名

十字軍により影響を受けたイスラム世界

 第1次十字軍の折、イスラム世界は、中世における西欧や日本と同じく、領土・相続争いを繰り返していました。
 バクダットを支配するスルタン・アッバース朝スンニ派とヴィジル・カイロを支配するファテイマ朝シーア派が分裂していました。
 予断ですがこの両派の争いは現代まで続いている問題です。

 さて最初の十字軍をイスラム側は宗教的な問題とは感じることなく、単に領土を獲りにきた外国勢力の認識でいました。それでエジプトファテイマ朝は十字軍に同盟を申いれに行く位でした。それゆえ第一次十字軍でイスラムは、エルサレムの占領と海辺の十字軍諸国の成立を許しました。それから反撃してゆきます。
 
 アッツバース朝のヌラデインは、対立していたカイロを占領して、ファテイマ朝を滅亡させイスラム世界を統一した。
 アッツバース朝の少数民族であったクルド族の若きサラデインは、カイロを占領した叔父の死からのし上がってエジプトの宰相になる。ヌラデインが死亡して、そこでサラデインは、ヌラデインの息子から徐々に権力を奪い、ダマスカスとカイロを支配するアユーブ朝のスルタンになり、エルサレムを奪還します。

 しかし蒙古が侵入してきて、バクダットが壊滅して半分のイスラム圏が消える状況まで追い込まれます。
 奴隷あがりが築いたマメルーク朝が蒙古を破りイスラム圏を回復して、アッコンの占領でもってキリスト教勢力の追い落としに成功します。

 そもそもイスラム教は通商の民によりおきた宗教です。ゆえに通商・交易を通して拡大し、中国の沿岸部やインドネシアにまで布教を広めます。
 十字軍を海に蹴落とした後でも、西欧との交易を再開して、西欧との香辛料の仲介貿易で富を得ていました。

 しかしバスコ・ダ・ガマが新しい交易ルートを中東抜きで開発したことから、中東イスラム諸国は衰退し、やがて西欧の植民地になってしまいました。その遺恨が現代まで続いています。
 

     2014-2-6

  
   十字軍物語 1、2、3
  http://hayame2.sakura.ne.jp/details1026.html#聖戦
  http://hayame2.sakura.ne.jp/details1026.html#十字軍2
  http://hayame2.sakura.ne.jp/details1026.html#十字軍3

  近代の清算・ジハーデイスト
  http://hayame2.sakura.ne.jp/new1003059.html#近代の清算
  皇帝フリードリッヒ2世の宗教と異端
  http://hayame2.sakura.ne.jp/details1026.html#フリド2の宗教





  




posted by 速魚 at 06:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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