2014年05月05日

韓国フェリー沈没  疑問点


 他国の旅客船の沈没事故に対して連日異常な報道が続いています。老生の入院中の出来事ゆえに、いつもよりそれを多く見ていたけではありません。日本でもっと優先度の高い出来事が他にあるとは思います。

 先日のイタリアでの豪華クルーズ客船の沈没と同じく今回も船長が旅客を放置して退船してしまうとは、船乗りのモラルも落ちたものですね。

 報道に接していて、今回はさすがに自衛艦の衝突事件だと、1週間もすれば尻切れトンボのように取り上げなくなるのに、少しずつ具体的なことが判明してきています。

 報道に接して感じた疑問点として

 1. ライフラフト・救命ゴムいかだは両舷に設置されています。片舷側が水没した状態で展張したものが1個でした。原則として水没すると救命イカダは自動で膨らみ水面に浮くように設計製造されています。これは整備不良と報道。

 2. 船長や3等航海士が舵を握って操船していたとの報道ですが、操舵手が当直しているのに舵を握っていないことはありえない。操舵手は実務的には航海士や船長より上手なものである。狭水道の航行とか他船と衝突の恐れがある状況でないかぎり、通常は自動操舵で航海しています。

 3. 荷崩れの問題で、未だに船の実際の設計図が報道されない。そもそも日本の船舶が韓国に売却されたものであり、容易に見つかるはずである。韓国の所有会社の工務部には図面一式が保管されているはずです。 私はフェリーには10隻以上の乗船経験があり、それから考えるに、車両甲板の広さが片舷3車線になると、そこに隔壁や柱を設けて船が大きく傾斜した場合でも荷物や車の片寄りを防ぐ設計になっています。

 4. 車・トラック・コンテナのラッシング・固縛について、映像ではトラックを積み終えるやすぐに出港していきますが、定期船では通常のことです。乗組員やサポート要員(経費節減でいない可能性はあるかも)は積み込みしながら固縛作業をしています。積み込んでのただちの出港を問題にする必要はありません。

 5. 運航乗組員だけが客船の乗組員ではなくレストランや売店のサービススタッフも乗組員です。避難誘導は訓練されているはずです。日本では客船乗組員の全てに救命艇手のライセンスを持たせています。
 臨時雇用の女性が亡くなりましたが救命に尽くしたのは個人として美談ですが、組織としての問題や訓練ははどうなっていたのでしょうか。

 6. 過積載の問題で積み込みの第一責任者は1等航海士です。船底にある各バラストタンクに注排水を指示して、復元力や喫水の調整・前後左右の調整を職務としています。荷物に対する固縛の指示も彼の責任です。報道では述べられたことがありません。

 7. 誰が誰の指示で乗客・学生生徒にその場で待機の決定をしたのでしょうか。修学旅行ゆえ引率の先生がいたはずですが、船内放送の指示に疑問をもった先生はいなかったのでしょうか。救命胴衣を着けて出来るだけ上層のデッキに逃げるのが過去の海難よりの教訓のはずです。

 8. 舵の故障で急旋回をして、荷崩れして荷物が片方に集まり、過積載となり復元力が減少して、大幅に傾き沈没をしたものと思われますが、最初の舵故障についての続報が聞こえてこない。

 9. 潜水艦救難艦を救助に使用すれば、潜水時間や潜水病の問題を軽減できるはずであるが、韓国海軍にはその艦を所有していないのであろうか。

 以上限られた報道を見ての老元船乗りの疑問点です。

 マスコミはいつも船の事故ですと、限られた学者のコメントにに頼るばかりでなく、専門記者を養成して実務からの掘り下げ取材をして欲しい。広くアドヴァイザーから取材のきっかけをつかんで掘り下げて報道してください。

     2014-5-5

  
  日本のフェリー事故のページへ
 http://hayame2.sakura.ne.jp/details1037.html#%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%BC%E4%BA%8B%E6%95%85
  フェリー火災
 http://hayame2.sakura.ne.jp/details1037.html#フェリー火災さんふらわ
  長江の客船沈没
 http://hayame2.sakura.ne.jp/details1037.html#長江客船沈没と友鶴

 






posted by 速魚 at 14:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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